経営戦略
月商シミュレーション:飲食店物件選びの決定的な判断軸【賃料売上比率】
「家賃が高い/安い」で物件を判断するのは経営的に危険です。本記事では業界プロが必ず使う「賃料売上比率」という判断軸と、現役飲食経営者が実際に使う月商シミュレーションの考え方を解説します。
1. なぜ「家賃が安い物件 = いい物件」ではないのか
「家賃¥30万の物件と¥70万の物件、どちらがいいか」という質問は、それ単体では答えられません。
重要なのは「その物件で月商いくらを稼げるか」です。家賃¥70万でも月商¥1,000万なら賃料売上比率7%で健全、家賃¥30万でも月商¥200万なら15%で不採算です。
立地と業態によって物件の収益性は決まる。家賃の絶対値ではなく、家賃と売上の比率で判断する。
2. 賃料売上比率の業界基準
飲食店業界における賃料売上比率の基準は以下の通りです。
| 賃料売上比率 | 評価 | 経営状況 |
|---|---|---|
| 〜7% | ◎ 理想ライン | 高収益・安定経営 |
| 7-10% | ◯ 健全 | 業界平均的・利益確保可能 |
| 10-13% | △ 要注意 | 業態工夫で改善可能 |
| 13-15% | × リスク | 高リスク・収益圧迫 |
| 15%以上 | ✗ 危険水域 | 経営危機の可能性大 |
INUKIBAでは賃料売上比率7-10%以内に収まる物件のみを優先推奨しています。
3. 月商シミュレーションの4要素
月商を試算する際の4つの要素を理解することが、物件選びの精度を決定します。
客単価
業態・エリア・客層によって決まる。バー¥6,000-15,000、居酒屋¥3,500-6,000、カフェ¥800-2,500
席数
物件の坪数と席密度で決まる。一般的に1坪1-2席が目安
回転率(1日あたりの回転数)
業態によって大きく異なる。バー1.5回転、居酒屋2-3回転、ラーメン3-5回転
月営業日数
週休1日なら26日、週休2日なら22日
月商 = 客単価 × 席数 × 回転率 × 月営業日数 で計算可能。
4. 業態別の月商試算例
10坪・15席の物件を想定した業態別シミュレーション例です。
| 業態 | 客単価 | 回転率 | 月営業日 | 想定月商 |
|---|---|---|---|---|
| バー | ¥7,500 | 1.5 | 26日 | ¥439万 |
| 居酒屋 | ¥4,500 | 2.5 | 26日 | ¥439万 |
| カフェ | ¥1,500 | 5.0 | 26日 | ¥293万 |
| 焼鳥 | ¥5,500 | 2.0 | 26日 | ¥429万 |
| イタリアン | ¥6,500 | 1.8 | 26日 | ¥456万 |
| ラーメン | ¥1,200 | 8.0 | 27日 | ¥389万 |
5. 物件選びの実践チェックリスト
物件候補ごとに以下のシミュレーションを行い、賃料売上比率10%以内に収まる業態だけを候補に残します。
Step 1
物件の坪数から想定席数を逆算(坪数×1.5席)
Step 2
想定業態の客単価と回転率を業界相場から設定
Step 3
想定月商を計算(客単価×席数×回転率×26日)
Step 4
賃料売上比率 = 月額賃料 ÷ 想定月商 × 100 を算出
Step 5
7-10%に収まる業態だけを候補化、それ以外は次の物件へ
INUKIBAの全物件提案資料には、業態別の月商シミュレーションと賃料売上比率が必ず明記されています。
まとめ
月商シミュレーションと賃料売上比率の考え方は、飲食店経営の根幹となる判断軸です。INUKIBAでは全物件で業態別の月商シミュレーションを提案資料に含め、お客様の経営判断をサポートしています。物件選びでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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