INUKIBA

経営戦略

月商シミュレーション:飲食店物件選びの決定的な判断軸【賃料売上比率】

2026-05-146分で読めます

「家賃が高い/安い」で物件を判断するのは経営的に危険です。本記事では業界プロが必ず使う「賃料売上比率」という判断軸と、現役飲食経営者が実際に使う月商シミュレーションの考え方を解説します。

1. なぜ「家賃が安い物件 = いい物件」ではないのか

「家賃¥30万の物件と¥70万の物件、どちらがいいか」という質問は、それ単体では答えられません。

重要なのは「その物件で月商いくらを稼げるか」です。家賃¥70万でも月商¥1,000万なら賃料売上比率7%で健全、家賃¥30万でも月商¥200万なら15%で不採算です。

立地と業態によって物件の収益性は決まる。家賃の絶対値ではなく、家賃と売上の比率で判断する。

2. 賃料売上比率の業界基準

飲食店業界における賃料売上比率の基準は以下の通りです。

賃料売上比率評価経営状況
〜7%◎ 理想ライン高収益・安定経営
7-10%◯ 健全業界平均的・利益確保可能
10-13%△ 要注意業態工夫で改善可能
13-15%× リスク高リスク・収益圧迫
15%以上✗ 危険水域経営危機の可能性大

INUKIBAでは賃料売上比率7-10%以内に収まる物件のみを優先推奨しています。

3. 月商シミュレーションの4要素

月商を試算する際の4つの要素を理解することが、物件選びの精度を決定します。

  • 客単価

    業態・エリア・客層によって決まる。バー¥6,000-15,000、居酒屋¥3,500-6,000、カフェ¥800-2,500

  • 席数

    物件の坪数と席密度で決まる。一般的に1坪1-2席が目安

  • 回転率(1日あたりの回転数)

    業態によって大きく異なる。バー1.5回転、居酒屋2-3回転、ラーメン3-5回転

  • 月営業日数

    週休1日なら26日、週休2日なら22日

月商 = 客単価 × 席数 × 回転率 × 月営業日数 で計算可能。

4. 業態別の月商試算例

10坪・15席の物件を想定した業態別シミュレーション例です。

業態客単価回転率月営業日想定月商
バー¥7,5001.526日¥439万
居酒屋¥4,5002.526日¥439万
カフェ¥1,5005.026日¥293万
焼鳥¥5,5002.026日¥429万
イタリアン¥6,5001.826日¥456万
ラーメン¥1,2008.027日¥389万

5. 物件選びの実践チェックリスト

物件候補ごとに以下のシミュレーションを行い、賃料売上比率10%以内に収まる業態だけを候補に残します。

  • Step 1

    物件の坪数から想定席数を逆算(坪数×1.5席)

  • Step 2

    想定業態の客単価と回転率を業界相場から設定

  • Step 3

    想定月商を計算(客単価×席数×回転率×26日)

  • Step 4

    賃料売上比率 = 月額賃料 ÷ 想定月商 × 100 を算出

  • Step 5

    7-10%に収まる業態だけを候補化、それ以外は次の物件へ

INUKIBAの全物件提案資料には、業態別の月商シミュレーションと賃料売上比率が必ず明記されています。

まとめ

月商シミュレーションと賃料売上比率の考え方は、飲食店経営の根幹となる判断軸です。INUKIBAでは全物件で業態別の月商シミュレーションを提案資料に含め、お客様の経営判断をサポートしています。物件選びでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

関連記事